Mountain’s LOG

いつでも山はそこにある

【鳳凰三山②】変わる景色に目が回る、チャレンジングなバリエーションルートの旅

2018/5/26-27_「鳳凰三山」DAY2

 

前編の続きで鳳凰三山2日目。

前編はこちら↓

motos-mountainlog.hatenablog.com

 

2日目は南御室小屋から千頭星山経由で青木鉱泉に降りるバリエーションルート。

 

【ルート】

DAY1:300min(青木鉱泉~ドンドコ沢~地蔵岳~南御室小屋)

DAY2:270min(南御室小屋~苺平~千頭星山~青木鉱泉)

※休憩抜きの行動時間

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穏やか夜明けと誰もいない分岐点

すっかり曇りにやられてしまった1日目。

晴れ予報に期待しながら就寝、起きてテントから顔を出すと…

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標高が低いため満天とは言わずともですが、いい星空です。

否応なしに今日の山行への期待が高まります。

 

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思っていたより寒くないのでボヘーっと星を見ながら朝食の支度を。山でボヘーっとする時間は贅沢な時間です。

 

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元々の計画では薬師岳まで登り返して日の出を見るつもりでしたが、初日で結構疲れたので潔く諦め。夜明けまでテントで待機してから出発しました。

 

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日の出への心残りを胸に、南御室小屋から苺平へ歩き始めて5分。なんと一部開けた場所があり、日の出に照らされる大雲海に出会うことが出来ました。

おいおい、こんなスポットがあるなら誰か教えてくれよ~と思いながらしばし絶景に浸る。たった10分で鮮やかに色が変化する雲海を満喫しました。

 

バリエーションルートをたどり千頭星山へ

千頭星山への分岐点がある苺平へ到着するも分岐が見当たらない。仕方ないのでざっくりコンパスで森に入ってルートファインディングし無事に道を乗り換えました。

 

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苺平からはひたすらつづら折りの急斜面、鬱蒼した森で基本的に眺望無しです。

けれども、雲海から顔を出す富士山は見えました。もやもや。

 

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 このルートの見どころ、大崩壊地。 斜面をスプーンで掬ったかのような崩れ方。

登山口付近では土石流を堰き止める土木工事を進めていたけど、この量の土砂が来たらもうどうしようもない気がする。

崩壊地の右フチをなぞりながら大ナジカ峠に向かいます。

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下り続けてはや一時間、ようやく大ナジカ峠。

急斜面に太腿を消費させられましたが、ここから千頭星山への地獄の登り返しです。

 

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マジか…とこれから登るべく斜面を見つめる。

ちなみにこの辺から登山道が雑になります、登山道の管理者に「ごちゃごちゃ言わずに登りゃつくんだよ」と言われている気分です。

 

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 僕はストックに縋って登っていましたが、もっさんもたまらずそのへんに転がっているストック代わりに。

小学校の登山遠足で誰が一番かっこいい棒を拾ったかを競った記憶が蘇ります。

 

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南御室小屋の親父さんに聞いていた山頂付近の核心部。そこまで難しくはないですが、ロープがゆるんゆるんなので斜面側に体重を預けると危ない。

 

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核心部を登り切ると鳳凰三山側の眺望がひらけます。

写真右側の崩壊地脇をひたすら歩いてきたのだな~と達成感、そして登り返し過ぎでは…というひろ疲労感。

 

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観音岳と遥か向こうに地蔵岳オベリスク、おい!めっちゃ晴れてんじゃねえか!

下山すると晴れる法則はどの山でも健在。

 

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そんなこんなで千頭星山登頂、山頂の眺望は無しです。

気温も上がってきたのでしばし木陰で補給休憩、ここから大西峰までは一般道にもどります。

 

快晴の下、クマ笹の草原を抜けて

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千頭星山を乗り越えると突然視界が開けます。

正直2日目のルートには景色を期待していなかったのでテンションあげあげ。

奥には八ヶ岳様も浮かんでいます。

 

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終始登山者に厳しいルートですが、ここだけは優しい雰囲気。

たまに優しくされると心をやられます、ちょろいので。

 

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木々の隙間から顔を出す薬師岳と砂払岳。かわいい。

 

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大西峰をすぎるとまたも怪しい登山道に戻ります。

道脇の石にこんな謎な記号が多く刻まれてていました、しばらく意味を推測してみたけどまったく法則性が見えず断念。何だったんだろ。

 

まさにアドベンチャー、ルートファインディングで青木鉱泉を目指す

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御所山からはもはや登山道なし、地形を読みながらルートファインディングで進みます。写真が一枚もないのでかなり注意深く進んでいたのでしょう。

しかし、尾根を外れ青木鉱泉へ落ちていくルートを捉えられず、現在地ロスト。仕方ないので山と高原地図アプリのGPSで…

 

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おいおい、いちばん大事なところが隠れちゃってるよ…

GPSの点が「櫛片山」の文字の上に浮かんでいたときの悲しみたるや。

ルートを過ぎたか、まだ先か、もっさんとしばらく議論しても答えはでず。行き過ぎた印象はあったので、ルートを捉えるべく斜面をコンタリングしながら戻ります。「ルートファインディングのいい練習だ」byもっさん、たくましい。

その後無事にリボンを発見し復帰。あとは青木鉱泉に向かって落ちるだけですが、ここの斜面がまたすごかった。すごすぎて一度3回転くらいしながら落ちました。到底登りルートでは使えなさそう。

 

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下りきった先に南アルプスの天然水が湧いてました、ひっそりとむしたコケは萌え。

 

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9:30過ぎに無事下山、いやはや出発が早いと到着も早い。

山の後は温泉、青木鉱泉は小さい湯船でしたがぬるめの湯で、日差しを浴びまくった登山の後には心地よかったです。

 

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風呂上がりのコーラとベンチで昼寝するもっさん。

 

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車を運転しながら振りかえるとさっきまでいた稜線がきれいに見えました、完全に夏だ。

 

今回は普通の土日で弾丸縦走でしたが十二分に満喫できました。むしろ、帰宅時間が日帰りより早いので翌日の出社も精神的に楽な気がします笑

お誘いを受けて初めてのバリエーションルートでしたが、アドベンチャーな感じが非常にワクワクさせてくれました。

この夏はガンガン登って山スキルを高めるぞ!