【至仏山】GW限定ルート、まだまだ雪深い雄大な尾瀬に包まれる旅
2018/5/2_GW第1弾「至仏山」
ルートは鳩待峠からの周回コース。
この下山道は残雪期しか通過できず、なんとソリに乗って下ることができます。
【ルート】
①登り:120min (鳩待峠→至仏山)
②下り:70min (至仏山→山ノ鼻ビジターセンター)
③平地:60min (山ノ鼻ビジターセンター→鳩待峠)
午後になるにつれて天気が崩れる予報だったので、夜明け前に鳩待峠を出発。
逸る気持ちは「普通車1日2,500円」という攻めた駐車料金にも負けず。
なんといっても、今日の装備はいつもと一味違う。
登山道に踏みいれると、すぐにお迎えしてくれる至仏山。
まだ樹木が雪に埋もれたままで、見通しのいい残雪期の特権なのかもしれません。
今日は一人なので、あのテッペンを目指して黙々と歩くのみです。
終始ゆったりとした傾斜が続くルートを、寒さで縮こまった身体をほぐすようにあるくこと20分。後ろから太陽が顔を出しました。
山で見る夜明けの空は、何度見ても心を奪われます。
刻々と変わる空の色をひとしきり堪能したら、再び黙々と足を進めます。
しばらく進むと、木々が薄くなりぱっと眺望が開けます。
そこに見えたのは…
あー、かっこいい。
去年の夏、初めての本格登山で登り、僕を登山沼に引き込んだにくい奴です。
やー、でもかっこいいから許す。
このあたりからは目の前も開け、山頂へつながるトレースがずーっと伸びています。
この時期はまだまだ雪深い尾瀬、単独行ということもあり道迷いを警戒していましたが杞憂でした。
この辺は傾斜がゆるいからか、前方への推進力が雪に吸収されるなぁと思いながらアイゼンを付けたり外したりしてます。
実感としてはどっこいどっこい。危険箇所もなく、ノーアイゼンでも安全に登れる良い山だと思います。雪山に行く以上はアイゼンは必携ですけどね。
歩を進めると眼の前に「山頂だーっ!」っていいたくなるいい形の山頂が。偽ピークで名高い小至仏山です。
今回は体力的に厳しい行程でもないので、心にダメージを食らうことなく超えていきます。
小至仏を超え稜線に出て、後ろを振り向くと…
うおー、かっこいい。
武尊山、まだ登っていないけど今年は登ってやるからな~
この辺から雪を割るように地表に出ている岩と、植物の色の対比を楽しむことができます。
山頂の予感とともに、その手前で本日最高の景色をいただきました。
山頂についたときには少しガスが昇り始めており、ベストタイミングでした。
1人ではしゃいでるうちに山頂に到着。
さっきの光景を思い出しニヤニヤしながら、夜明け前から登り始めた自分を褒めます。
そういや人に全く会わなかったな…と、広い空を独り占めしている湯悦に浸ります。
一呼吸おいて、寒いしラーメンでも…とバーナーを取り出すも、ライターの火打石部分がなぜか湿っており点火しない事件が発生。
いつでも添加できるように火打石タイプのライターを携行していたけど、そりゃ湿ったらつかないよね…一つ勉強になった。
即時、下山開始です。
お待ちかねのソリタイム。ウキウキで視線を上げた先には…
えー、背中にぶら下がってるソリの意味は…
悲しみのあまり、座り込む。悲しい。
仕方ないと立ち上がり、歩くこと15分。
現れました、雪です。
23歳の男が一人でソリ遊びをするだけの動画が撮れました。
一番下まで、300mひたすら滑り続けて、満足しました。後悔はありません。
ちなみに当たり前ですが雪でビショビショになりました。防水な服装で滑るのをおすすめします。
尾瀬ヶ原まで降りてきたら、後はのんびり帰るだけ。
勢いでソリを背負って登った至仏山。しかし、GW中の山行でも想い出深いものとなりました。
危険箇所はまったくなく、眺望もいい。下山後は尾瀬を散策できる、登山の魅力が詰まった素敵な山だと思います。雪山デビューにも最適かも。